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卵巣腫瘍・卵巣嚢腫

卵巣腫瘍(卵巣嚢腫)とは

卵巣腫瘍(卵巣嚢腫)とは卵巣は、子宮の両脇に1つずつある親指大の楕円形の臓器です。元々腫瘍が生じやすい臓器で、ここに発生する腫瘍が卵巣腫瘍(卵巣嚢腫)です。肥大化すると30cmを超えることもあります。
卵巣腫瘍には様々な種類がありますが、大別すると、腫瘍の中に液体が溜まる「嚢胞性卵巣腫瘍(卵巣嚢腫)」と、硬い塊が大きくなる「充実性卵巣腫瘍」に分類されます。卵巣腫瘍の8~9割は嚢胞性卵巣腫瘍で、ほとんどは良性ですが、若い女性でも発症することがあります。

卵巣嚢腫の4つの種類

嚢胞性卵巣腫瘍(卵巣嚢腫)は、次の4種に分類されます。

漿液性嚢腫

  • 10~30代の若い女性に多く見られる
  • 左右両側に起こることが多い
  • ほとんどが良性の腫瘍
  • 拳くらいの大きさになる場合がある
  • 円形、または楕円形に発育する
  • 内容液はサラサラと漿液性で無色または淡黄色
    など

粘液性嚢腫

  • 閉経後の女性に多く見られる
  • 片側にのみ起こる場合が多い
  • ほとんどが良性の腫瘍
  • 円形または楕円形の多胞性に発育することが多い
  • 頭くらいの大きさになる場合がある
  • 内容液はネバネバした粘液性
    など

皮様嚢腫

  • 20~30代の女性に多く見られる
  • 両側に起こることがある
  • 内容物には脂肪・骨・軟骨・歯・毛髪などが含まれる
  • 卵巣嚢腫の約10~15%を占める
  • 嚢胞が大きくなると下腹部痛などがある
  • 閉経後はがん化することがある
    など

子宮内膜症性卵巣嚢腫
(チョコレート嚢腫)

  • 30~40の代女性に多く見られる
  • 子宮内膜症が卵巣内に発生した嚢胞
  • 嚢胞が大きくなると腹痛が現れることがある
  • 不妊症の原因になることがある
  • 年齢を重ねるとがん化することがある
    など

大半は良性腫瘍ですが、
ごく稀に悪性になる恐れも
あります

卵巣腫瘍には、良性のもの、悪性のもの、その中間の境界悪性があります。大半は嚢胞性の良性腫瘍ですが、ごく稀に悪性(卵巣がん)の場合もあるので注意が必要です。
また、子宮内膜症性卵巣嚢腫は、40歳以降で腫瘍の大きさが4cm以上になると悪性化する確率が高くなると言われています。閉経後でもがん化することがあるので、いずれにしても早めに適切な治療が必要です。

卵巣腫瘍(卵巣嚢腫)に
初期症状はある?

卵巣腫瘍(卵巣嚢腫)は、腫瘍が小さいうちは、ほとんど自覚症状がありません。腫瘍が大きくなるにつれて、腹部が圧迫されるので、腹部膨満感や腹痛、腰痛、頻尿、便秘などの症状が現れます。下腹部のしこりのようなものに触れて気づくこともあります。
さらに腫瘍が大きくなると、卵巣の根元がねじれる「茎捻転」という状態になり、激しい痛みや嘔吐、意識消失などのショック状態になり、緊急で手術が必要になることもあります。

お腹が大きくなった?
こんな症状があれば
当院までご相談ください

お腹が大きくなった?こんな症状があれば当院までご相談ください
  • 下腹部に触れると、しこりのような膨らみがある
  • 下腹部痛や腰痛がある
  • 太ってないのに下腹部だけが膨らんでいる
  • 便秘や頻尿が気になる
  • 経血量が急激に増えた
  • 月経痛が強くなった
  • 足にむくみが生じる
  • 妊婦のようにおなかが前に突き出してきた
    など

これらの症状がある方は、卵巣の病変が疑われます。
京都市右京区の西院レディースクリニックまでお気軽にご相談ください。

卵巣嚢腫の原因

漿液性嚢腫、粘液性嚢腫は、いずれも原因が分かっていませんが、卵巣や卵管の表層が腫脹し、水分や粘液が内部に侵入することで起こります。
子宮内膜症性卵巣嚢腫(チョコレート嚢腫)は、子宮内膜症が原因で、本来は子宮にあるはずの子宮内膜が卵巣で増殖を繰り返し、月経血が排出できずに卵巣内に溜まることで起こります。
皮様嚢腫も明確な原因はわかっていませんが、受精していないのに卵子の細胞分裂が起こり、それが途中で止まるために皮膚や毛髪成分が腫瘍化すると言われています。

卵巣嚢腫の検査・治療方法

検査

診察と超音波検査で卵巣腫瘍の有無を診断します。
腫瘍の大きさや内容物によって詳しく調べる必要がある場合はMRI検査を行い、良性か悪性かを総合的に判断します。

治療方法

良性腫瘍の場合

腫瘍が良性で小さい状態であれば、経過観察を行います。
卵巣を切除するかどうかは、腫瘍の状態や種類、年齢、妊娠の希望があるかどうかで判断します。ただし、腫瘍が6cmを超える場合は、茎捻転を起こすリスクが高くなるため、手術を検討します。

悪性腫瘍の場合

悪性が疑われる場合は手術を行います。
治療方法は、腫瘍だけを摘出する腹腔鏡手術、卵巣を摘出する開腹手術など、様々な方法があるため、年齢や妊娠希望、腫瘍のサイズを考慮しながら決定していきます。
卵巣を摘出する場合でも、なるべく片側の卵巣は残すように治療を行います。

また、腫瘍が非常に大きく、癒着が酷い場合で、閉経を迎えた方であれば、卵巣、卵管、子宮を摘出する「子宮・付属器摘出術」を行うこともあります。