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不妊治療

当院の不妊治療のご案内

当院の不妊治療のご案内 本院である足立病院では、2003年に不妊治療を開始し、妊娠実績は累計で20,000症例以上、近年では年間1,500症例以上を達成しています。
“新しい命を迎えたい”という患者さんの前向きなお気持ちを支え、より早期の妊娠を実現するため、当院もその歴史を受け継ぎ、質の高い不妊治療を行っていきます。
また、最先端の生殖補助医療(ART)に関しましては、グループの足立病院生殖医療センターと連携して対応するなど、複数の選択肢をご用意して、ご要望にお応えしていきます。

不妊には様々な原因があります

不妊には様々な原因があります 日本産婦人科学会は、妊娠を望む健康な男女が避妊をせずに性交しているにも関わらず、一定期間(1年)妊娠しない状態を不妊と定義しています。
不妊の原因には、女性側の卵管閉塞や無排卵症、男性側の重度乏精子症や無精子症など、妊娠のために医療介入が必要な「絶対的不妊」の場合と、原因が不明の場合があります。
絶対的不妊の原因を早く知ることができれば、妊娠までの期間を短縮できる可能性がありますので、妊娠を希望する場合は、異常がないかを調べるスクリーニング検査から始めます。

両者に見られる理由

加齢による影響

妊娠する・させる力(妊孕性)は、男女とも加齢により低下します。
女性は30歳を過ぎると自然に妊娠する確率は減り、35歳を過ぎると明らかに低下します。加齢により子宮内膜症などが増えること、卵子の質の低下が起こることが妊孕性低下の原因と考えられています。
男性は、女性に比べるとゆっくりですが、35歳頃から徐々に精子の質の低下が起こります。

女性の場合

排卵因子

規則的な月経がある場合、月経の約2週間前に「排卵」が起こり、女性ホルモンの分泌が変化します。その影響で子宮内膜は妊娠に向けて準備をし、妊娠しなければ剥がれ落ちて月経になります。しかし、極端な月経不順の場合、月経のような出血があっても排卵を伴わないことがあります。排卵がなければ妊娠することはありません。
排卵が起こらない原因には、甲状腺など女性ホルモンを出す仕組みに影響を及ぼす病気や、極度の肥満または体重減少、男性ホルモンが高くなるホルモンバランス異常(多嚢胞性卵巣症候群)などがあります。これらの場合は原疾患の治療や、排卵を起こす治療を行います。
また、まったく月経がない場合は、ホルモン分泌の異常や、早発卵巣不全(早発閉経)の可能性もあります。排卵しているかどうかは、基礎体温や卵巣ホルモンの検査などで確認できます。

卵管因子

卵管は精子が卵子に向かい、受精した卵(胚)が再び子宮に戻る通り道です。炎症などで卵管が詰まると、妊娠は起こりません。卵管炎や骨盤腹膜炎の原因となるクラミジア感染症にかかったことがある方は、無症状のうちに卵管が詰まっていることがあります。
また、強い月経痛がある場合、子宮内膜症が潜在している可能性があります。これによって卵管周囲の癒着が起こり、卵管が詰まることがありますが、この場合は卵管造影検査で確認することができます。

頸管因子

子宮頸管は、子宮の入り口を巾着のように閉めてバリアをしている筒のような部位です。排卵が近づくと、精子が貫通しやすいように内部を満たす粘液が変化します。この粘液の分泌が少なく、精子の貫通に適していないと、精子は子宮内に侵入しにくくなり、妊娠が起こらなくなります。

免疫因子

人間には、細菌やウイルスなどから身体を守るために「免疫」という仕組みがありますが、時にその免疫の力で精子を攻撃してしまうことがあります。精子を攻撃する抗体(抗精子抗体)を持つ女性の場合、抗体が分泌されると精子の運動性が失われ、卵子に到達できず、妊娠が起こらなくなります。

子宮因子

子宮筋腫や先天的な子宮の形態異常などにより、子宮内膜の血流が悪い場合や、子宮内に手術や炎症による癒着があると、子宮内に到達した胚をくっ付けて育てることができず、妊娠に至りません。この場合は超音波検査や子宮通水検査で確認できます。

男性の場合

造精機能障害

精子の数が少ない(まったくない)ことや、精子の運動性が悪いと、妊娠しにくくなります。原因は精索静脈瘤と言い、精巣内の温度が高くなり、精子の数や運動性が低下することに起因します。
また、特に原因はなくても精子が作られないこともあります。

精路通過障害

精子がペニスの先端まで通る道の途中で詰まると、射精はできても精子が排出できず、妊娠に至りません。過去の炎症(精巣上体炎)などにより、精管が詰まる場合もあります。

性機能障害

勃起障害(ED)や腟内射精障害など、性行為で射精できない機能障害です。一般的にはストレスや妊娠に対する精神的プレッシャーなどが原因と考えられていますが、糖尿病など他の病気が原因で起こることもあります。

ホルモン異常

脳の下部にある下垂体に不具合が起こると、性ホルモンがうまく分泌されず、男性不妊症の原因になることがあります。

不妊治療の段階や方法

不妊治療の段階や方法 不妊治療は、原因が特定される場合は、それに対する治療が優先されます。原因が不明な場合は、患者さんの状態や治療結果、希望を考慮して進められます。
一般的には、「一般不妊治療」のタイミング法を行い、妊娠に至らなければ、人工授精を試みます。
当院では、タイミング法、人工授精に対応し、それ以降の不妊治療については、足立病院の生殖医療センターへとご紹介いたします。

女性

タイミング法

一般的に排卵の直前が最も妊娠しやすい時期になるので、超音波検査やホルモン検査などで排卵日を予測し、妊娠しやすい性交日を指導します。不規則な排卵日、排卵障害などを原因としている場合には、タイミング法で結果が得られやすくなります。

排卵誘発法

排卵障害がある場合には、排卵誘発剤の飲み薬や注射薬を使用する場合があります。多胎妊娠、卵巣過剰刺激症候群には十分に注意して対応いたします。

人工授精(原液法)

排卵のタイミングに合わせて精子を子宮内に送り込み、妊娠を促す方法です。
「人工」という言葉に抵抗を感じる方もいらっしゃいますが、形式的には自然妊娠と変わりありません。

体外受精胚移植

卵巣で育った卵胞から卵子を取り出し、選別した精子をふりかけることで、自然の力で受精させる方法です。体外で培養した後に子宮に移植します。

男性

男性の場合は精液検査を行い、異常がある場合は泌尿器科の受診が必要となりますので、連携する泌尿器科をご紹介いたします。

治療の流れ

1初診

初診時には、妊娠を希望された時期や、相談のきっかけ、これまでの治療歴、不安や悩みをお伺いし、不妊治療の方針や内容について相談させていただきます。
妊娠の可能性を知りたい方への妊活ドックや、一般的な不妊治療のご提案など、患者さんに応じた治療方針をご提案いたします。

2基本検査

【女性の検査】

  • ホルモン検査
  • AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査
  • 甲状腺機能検査
  • PRL(プロラクチン)検査
  • 風疹抗体価(必要ならワクチン接種)
  • クラミジア感染症検査
  • 子宮頸がん検査
  • 超音波検査
  • 卵管疎通性検査
  • 子宮鏡検査

卵管が詰まっている場合の対応

FT(卵管鏡下卵管形成術)

子宮頸管・内膜ポリープがある場合の対応

子宮内膜ポリープ切除

【男性の検査】

精液検査

3治療方針のご説明

検査結果に応じて、患者さんに合った治療方針をご提案・ご説明いたします。ご不明の点がございましたら、ご遠慮なくお尋ねください。疑問点を解消した後、治療へと進みます。

4一般不妊治療

一般的には、一般不妊治療のタイミング法を行い、妊娠に至らなければ、人工授精を試みます。人工授精以降は、足立病院と連携して治療を試みます。

5妊娠成立

治療内容や患者さんのご都合にもよりますが、原則として妊娠34週頃までは当院にてサポートいたします。
足立病院と連携する場合は、36週目以降は一週間交代で診ていきます。
その後、足立病院の産婦人科、またはご希望される医療機関に通っていただくことになります。