子宮頸がんワクチンは、子宮頸がんの主な原因であるヒトパピローマウイルス(HPV)に対するワクチンです。17歳未満でワクチンを接種すると子宮頸がんを88%防ぐことができると報告されています。 2013年からは定期接種となり、小学校6年生から高校1年生までの女性は、無料でワクチン接種を受けられます。
子宮頸がんは、主にHPV感染が原因で子宮頸部に発生するがんです。HPVは性行為によって感染するため、性行為の経験がある女性であれば、生涯で一度は感染するとされています。 通常はHPVに感染しても自己免疫によってウイルスは排除されますが、一部の方ではウイルスが排除されずに持続感染状態となり、後に子宮頸がんを発症します。
HPVには約200種類の型がありますが、その中でも子宮頸がんを引き起こしやすいとされるのは「16型」と「18型」です。 子宮頸がんワクチンでは、HPVの16型と18型の感染を防ぎ、ワクチンによっては他の種類のHPVに対する免疫をつけることもできます。
子宮頸がんの主な原因は、性行為によるHPV感染です。そのため、性行為の経験がある女性であれば、誰でもかかる可能性があります。その中でも、以下に該当する方は子宮頸がんの発症リスクが高いと考えられています。
HPVは性行為によって感染するため、初めて性行為する前に子宮頸がんワクチンを接種することが重要です。日本産婦人科学会と日本小児科学会は、ワクチンの接種推奨年齢を11~14歳としています。接種推奨時期を過ぎた場合でも、15~45歳の女性に対する接種が推奨されています。 2013年からは、子宮頸がんワクチンは定期接種となり、小学校6年生から高校1年生までの女性は無料でワクチンを接種できます。
子宮頸がんの主な原因はHPV感染であるため、ワクチン接種は非常に重要です。特に、子宮頸がんを引き起こしやすいとされている16型と18型の感染を防ぐワクチンは、HPV感染を効果的に予防していることが明らかになっています。 つまり、子宮頸がんワクチンを接種することで、子宮頚がんになるリスクを軽減できます。
日本で承認されている子宮頸がんワクチンには、サーバリックス(2価)、ガーダシル(4価)、シルガード(9価)の3種類があります。当院では、ガーダシルとシルガードを採用しています。
シルガードはガーダシルの4種類(6型、11型、16型、18型)に加え、31型、33型、45型、52型、58型に対応しており、より幅広いHPVの型に対応する疾患の予防が期待できるようになりました。
子宮頸がんワクチンの副作用には、以下のようなものがあります。
その他にも、脱力感や手足の痛み、下痢なども報告されています。また、非常に稀ですが、アナフィラキシーやギラン・バレー症候群、急性散在性脳脊髄炎などの重篤な症状が生じたケースもあります。