生理前には女性ホルモンが一時的に増加するため、乳腺と乳腺の間で浮腫が生じ、胸の張りを感じることがあります。これは生理的な現象であり、特別な治療は必要ありません。しかし、生理前でなくても胸の張りが続き、痛みやしこり、乳頭分泌などの症状が見られる場合は、乳がんや乳腺症、線維腺腫などの病気が疑われます。 胸のしこりや張りなどの気になる症状がある方は、お早めに京都市右京区の西院レディースクリニックへご相談ください。
しこりといっても、その性質は様々です。押すと痛みがあるかどうか、動くかどうか、触った時の表面の滑らかさなど、触診だけではがんがどうかを判断できません。そのため、マンモグラフィや超音波(エコー)検査を受けることをおすすめします。
触診だけでは、胸のしこりが良性か悪性かを判断することはできませんが、一般的には乳がんの可能性が高い胸のしこりには、次のような特徴があります。
ただし、これらの特徴に当てはまっても、必ずしも乳がんであるとは限りません。乳がんであるかどうかは、マンモグラフィや超音波検査、針生検などの検査を行って診断されます。
胸のしこりの原因として考えられる病気には、乳がん以外にも以下の疾患があります。
乳房のしこりや痛み、乳頭分泌物などの症状を呈する良性疾患ですが、乳がんとの区別が難しい場合があります。その際は、針生検を行ってがんかどうかを確認することもあります。
痛みのないですが、乳房にしこりがみられる良性疾患です。針生検を行っても葉状腫瘍との区別が難しいことがあるため、急激に大きくなる場合は切除を検討します。
乳腺が炎症を起こす病気で、急性乳腺炎(乳汁うっ滞性乳腺炎、化膿性乳腺炎)と慢性乳腺炎があります。急性乳腺炎と炎症性乳がんの見た目は似ていますが、問診で診断が可能です。
非常に稀な腫瘍であり、全乳房腫瘤の1%未満です。そのうちの25%は悪性ですが、針生検を行っても診断が難しい場合があるため、急激に大きくなる場合は切除を検討します。
嚢胞は基本的に良性疾患のため心配はいりませんが、大きくなると中に嚢胞内がん(非浸潤がん)が発生するケースがあるため、注意が必要です。
乳管の中に発生する良性の病変です。主な症状は、血液の混じった乳頭分泌です。
胸の張りは生理現象として生じる場合と、病気が原因で生じる場合があります。
更年期には女性ホルモンのエストロゲンの分泌が低下するため、自律神経の乱れや様々な心身の症状が現れる更年期障害が見られます。更年期障害の1つに、胸の張りがあります。
女性ホルモンである黄体ホルモンの分泌が増加し、乳腺が一時的に発達して胸の張りを感じることがあります。
妊娠中は黄体ホルモンの分泌が増加します。特に妊娠初期ではその影響を受けやすく、胸の張りを感じることがあります。
思春期に訪れる二次性徴では、女性ホルモンの分泌が増えるため、胸の張りや痛みを感じることがあります。
不規則な生活や睡眠不足、疲労などによってホルモンバランスが乱れると、胸の張りや頭痛、ほてりなどの症状が見られることがあります。
生理・妊娠・出産・閉経などに伴うエストロゲンの変動を主な原因として発症する良性疾患です。乳腺症の症状には、胸の張りや痛み、乳頭分泌物などがあります。
乳腺で炎症が生じる疾患であり、うっ滞性乳腺炎、化膿性乳腺炎、慢性乳腺炎があります。いずれも、胸の張りや痛み、発熱などの症状が見られます。
乳腺に発生する良性腫瘍で、乳房のしこりが主な症状です。病変の大きさによっては胸の張りを伴うことがあります。
プロラクチンの値が異常に高くなり、出産していないのに乳汁分泌が認められます。乳汁漏出以外にも、胸の張りや月経異常などの症状が見られ、不妊の原因となることもあります。
40~60代の女性に好発し、日本では9人に1人が生涯でかかるとされています。代表的な症状は乳房のしこりで、乳房の変形や乳頭分泌物などが見られることもあります。胸の張りや痛みを訴える方もいますが、比較的稀な症状です。
きつい下着は締め付け感があり、それを乳房の張りや痛みと誤解することがあります。ノンワイヤータイプやカップ付きキャミソールなどの締め付けの少ない下着を選ぶと、胸の張りや痛みを比較的感じにくいです。
栄養バランスのとれた食事は、ホルモンバランスの改善に繋がります。栄養バランスを整えるのが難しい場合は、サプリメントを利用する方法もあります。
ストレスは、自律神経やホルモンバランスを乱す原因になります。ストレスを完全にゼロになくすのは難しいかもしれませんが、ストレスをうまく発散し、溜め込まないことが重要です。
体の冷えは、子宮や卵巣の働きを低下させ、ホルモンバランスに影響を与えます。衣類や室温の調整、適度な運動や入浴などで、体を冷やさないように気をつけましょう。
胸のしこりにご自身で気づいた時には、乳腺外科を受診してマンモグラフィや超音波検査、針生検などの検査を受けるようにしましょう。