わきの下がズキズキ痛む、ピリピリ痛む、しこりがある、あるいは痛みとしこりの両方があるなど、症状によって原因には様々なものが考えられます。 なかには、乳がんが原因で生じる痛み・しこりもあるので注意が必要です。
哺乳類の一部は、犬や猫のように二対以上の乳房を持っています。ヒトも胎児の時には複数の乳腺のもとを持ちますが、通常は自然に消えていきます。しかし、なかには「副乳(異所性乳腺)」として残ることがあります。 このうち、わきの下に残った副乳が、ホルモンバランスの変化に伴って痛むことがあります。
わきの下を走る「腋窩リンパ節」に、腫れやしこりを自覚する場合があります。原因は、ウイルス・細菌の感染、アレルギー性皮膚炎、乳がんの転移、ワクチン接種後の副反応などがあげられます。特に、ウイルス・細菌に感染して「リンパ節炎」になった場合には、痛みを伴うことが多くなります。
わきの下の痛みは、乳がんの症状の1つでもあります。乳がんが腋窩リンパ節に転移すると、わきの下の腫れやしこりによる神経圧迫でしびれなどを生じ、まれに痛みを生じることがあります。
毛穴の詰まりを原因とする細菌感染や、皮膚下にできた袋状の構造物に皮脂・角質が溜まって生じる「粉瘤」などにより、わきの下に赤みやしこり、痛みが生じることがあります。
わきの下を通るリンパ節に触れると、しこりを触知することがあります。 原因は様々で、細菌・ウイルスの感染、アレルギー性皮膚炎、乳がんの転移、ワクチンの副反応などが疑われます。
わきの下に副乳がある場合、月経などでホルモンバランスが変化すると、副乳が発達してしこりとして認められることがあります。 副乳は、女性の5~10%くらいの方に認められており、基本的に治療は不要ですが、ごくまれに副乳に乳がんが発生してしこりを伴うこともありますので、注意が必要です。
乳がんがリンパ節に転移すると、わきの下に腫れやしこり、痛みを伴うことがあります。 乳腺に発生したがんよりも進行が早いので、早期の診断が必要です。
血液のがんの一種である「悪性リンパ腫」の初期症状として、ごく稀に、わきの下、口、足などのリンパ節でしこりができることがあります。痛みは通常ありません。
皮膚下にできた袋状の構造物に皮脂・角質が溜まって生じる「粉瘤」や、摩擦などの刺激を受けやすい場所に生じる「脂肪腫」などによって、わきの下にしこりができることがあります。
乳がんが腋窩リンパ節へ転移すると、わきの下にしこりが生じることがあります。 乳房はもちろん、わきの下も日ごろからチェックをして、しこりや痛みなどに気づいた時は、早めに京都市右京区の西院レディースクリニックへお越しください。
痛みが治らず長く続く場合や、動いた時に痛みが強くなる場合は、当院にご相談ください。 また、次のような症状が続いているようであれば、直ちに受診してください。
外傷などの外的な要因がなければ、乳がんなどの怖い病気の早期発見に繋がる可能性がありますので、そのまま放置せずにきちんと検査を受けましょう。
わきの下の痛みやしこりは、ホルモンバランスの変化などが影響していることもあるため、過度に心配する必要はありません。しかし、がんなどの病気であるという可能性も否定できませんので、セルフチェックで異変に気づいた時は、自己判断せずに必ず医師の診察を受けるようにしましょう。
西院レディースクリニックでは、マンモグラフィ検査、超音波(エコー)検査などを行い、がんの鑑別、その他の疾患を含めた正確な診断に努めています。また、がんの可能性が少しでも残る場合には、細胞や組織を採取して病理検査を行うこともできます。 少しでも気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。